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Velvet Sundownのメンバー画像(明かにAIっぽい)/Credit: Velvet Sundown/X(2025)
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話題沸騰中のロックバンド、実は100%「AI」だったと発覚

2025.07.10 12:00:10 Thursday

今年6月、Spotifyのレコメンド欄に突如現れ、あっという間に月間75万リスナーを超える話題のインディーロックバンドが登場しました。

その名は「The Velvet Sundown(ザ・ヴェルベット・サンダウン)」

70年代のサイケデリックロックにシネマティックなオルタナ・ポップ、夢見心地のアナログ・ソウルが混ざったようなサウンド。

誰も知らないはずの新鋭バンドが、誰もが聴いたことがあるような音楽で再生数を伸ばしていく様子に、音楽ファンの間ではある疑念が噴き上がっていました。

「これ、本当に人間が作った音楽なのか?」

そして、驚きの事実が発覚します。

実はこのバンド、100%AIによって作られた音楽プロジェクトだったのです。

New Viral Indie Rock Sensation Reveals They’re 100% AI https://www.sciencealert.com/new-viral-indie-rock-sensation-reveals-theyre-100-ai The Velvet Sundown explained: What’s behind the Spotify-verified AI band controversy? https://www.euronews.com/culture/2025/07/08/the-velvet-sundown-explained-whats-behind-the-spotify-verified-ai-band-controversy

話題のロックバンドが「AI」と発覚

The Velvet Sundownが音楽ストリーミングサービスに現れたのは2025年6月のことでした。

何の前触れもなく、Spotify、Amazon Music、Apple Musicなどの主要サービスに2枚のアルバムが登場し、ほどなくして数十万の再生数を獲得。

SNSでは「Spotifyのおすすめに突然出てきた」「妙に70年代ロックっぽいけど、どこか“作られた感”がある」との声が次々と上がり、RedditやTikTokでは「完全にフェイクだ」「画像もAIっぽい」といった議論が巻き起こりました。

フランスの音楽配信サービス「Deezer」では一部の楽曲に「AI生成の可能性あり」との注記も付けられています。

こちらが実際の楽曲の一つ。(※ 視聴の際は音量にご注意ください)

バンドの公式Xアカウントは当初、自身のAI疑惑について「怠惰で根拠のないジャーナリズムだ」として強く否定していました。

「僕たちはカリフォルニアのバンガローで、本物の楽器と魂で作ったんだ」と強調していたのです。

しかしその主張は、ローリングストーン誌の独占インタビューによって覆されました。

バンドのスポークスパーソンであり“準メンバー”を名乗るアンドリュー・フレロン氏が「実際にはAI生成プラットフォーム『Suno』を使用していた」と認めたのです。

当初は「ブレインストーミングに使っただけ」としていたフレロン氏も、インタビューの中で徐々に発言を変化させ、「一部の楽曲はSunoによって作成された」「ボーカルの一貫性を保つためにSunoの『ペルソナ』機能を使った」と語りました。

つまりこの“話題のバンド”は、楽曲も歌声もビジュアルも、すべてAIツールによって生成された作品群だったのです。

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