巨鳥「モア」を10年以内に復活させる計画
プロジェクトの対象となっているのは「ジャイアント・モア(Dinornis robustus)」という、全長3.6メートルにも達する巨大な飛べない鳥です。
かつてニュージーランド全土に生息していましたが、およそ600年前に人間による乱獲によって絶滅しました。
この復活計画を主導するのは、「絶滅を逆転させる(de-extinction)」というビジョンを掲げる米バイオ企業「コロッサル・バイオサイエンシズ」。
同社はこれまでにもマンモスやドードー、ダイアウルフ(絶滅した大型オオカミ)などの“再生”を発表し、世界中の注目を集めてきました。
今回のモア計画には、ピーター・ジャクソン監督とそのパートナーであるプロデューサーのフラン・ウォルシュ氏が、1500万ドル(約24億円)を出資。
さらにニュージーランドの先住民研究機関「ナイ・タフ研究センター」も協力し、モア復活に向けた研究が始まっています。
ジャクソン監督は、モアの骨の個人コレクションを300~400点以上も所蔵しており、「映画は本業、モアは趣味」と語るほどの熱の入れようです。
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とはいえ、モアの復活プロジェクトはまだ始まったばかり。
研究の第一段階では、保存状態の良い骨からDNAを抽出し、現存する鳥類、特に近縁種とされるエミューなどのDNAと比較します。
そして、モアに特有の遺伝子を特定し、それを現存種のDNAに組み込むという手法が取られます。
こうして蘇った個体は、囲われた自然保護区で生活させる予定で、野生には放たれず、動物園での展示も行われないとされています。