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Credit: phys – Scientists find 74-million-year-old mammal fossil in Chile(2025)
paleontology

7400万年前の恐竜時代にいた「新種の哺乳類」をチリで発見

2025.08.13 12:00:41 Wednesday

南米チリの最南端パタゴニア地方で、恐竜と同じ時代を生きた小さな哺乳類の化石がチリ大学(Universidad de Chile)により発見されました。

その名は「ユエテリウム・プレッサー(Yeutherium pressor)」

体重はわずか30〜40グラムと、現代のネズミほどのサイズで、約7400万年前の白亜紀後期に暮らしていました。

今回の発見は、南半球における中生代哺乳類の進化の謎を解く重要な手がかりになると考えられています。

研究の詳細は2025年8月6日付で科学雑誌『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に掲載されました。

Scientists find 74-million-year-old mammal fossil in Chile https://www.rte.ie/news/newslens/2025/0812/1528042-chile-fossil/
A subantarctic reigitheriid and the evolution of crushing teeth in these enigmatic Mesozoic mammals https://doi.org/10.1098/rspb.2025.1056

恐竜時代の南端に暮らした「小さな哺乳類」

化石が見つかったのは、チリ南部マガジャネス州にあるリオ・デ・ラス・チナス渓谷

この地域は白亜紀後期の地層「Dorotea層」が露出しており、当時はゴンドワナ大陸の一部でした。

(※ ゴンドワナ大陸は、現在のアフリカ、南アメリカ、インド亜大陸、南極、オーストラリア、アラビア半島、マダガスカル島を含んでいた巨大な大陸)

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化石が発掘された場所/ Credit: phys – Scientists find 74-million-year-old mammal fossil in Chile(2025)

発見された化石は、上顎の一部に臼歯1本と、ほかの臼歯の歯冠や歯根を含む小さな骨片です。

この歯の形態から、研究チームはこの動物がレイギテリイダエ(Reigitheriidae)という中生代哺乳類の一群に属すると判断しました。

これまでこの科は、アルゼンチン北パタゴニアで見つかった「Reigitherium」1属1種しか知られておらず、今回の発見が第2の種となります。

歯の表面にはエナメルの細かなギザギザや、噛み砕くのに適した縁帯(シンギュラム)が発達していました。

これらの特徴は、硬い種子や繊維質の植物を食べていた可能性を示しています。

また、骨格や分類学的位置から、現生のカモノハシのように卵を産む、あるいはカンガルーやフクロネズミのように育児嚢(いくじのう)で子を育てていた可能性も指摘されています。

次ページ独自に進化した「噛み砕きの歯」

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