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Credit: canva
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突然「腐った魚の匂い」を発し始めた赤ちゃん、その原因とは?

2025.10.30 12:00:11 Thursday

ある日、まだ1歳にも満たない赤ちゃんから、強烈な「腐った魚」のような匂いが漂い始めました。

ポルトガルで実際に報告されたこの奇妙な症例は、家族と医師たちに大きな困惑と戸惑いをもたらしました。

生まれたばかりの赤ちゃんの体から「魚の腐った匂い」がするという、とても想像しにくい現象。

その背後には、普段は意識しない“体の仕組み”と“遺伝のいたずら”が絡み合っていたのです。

研究の詳細は2025年2月の学術誌『Cureus』に掲載されています。

Diagnostic dilemma: A baby suddenly started to smell of rotting fish https://www.livescience.com/health/diagnostic-dilemma-a-baby-suddenly-started-to-smell-of-rotting-fish
Unpleasant Smell: A Case Report of Trimethylaminuria (Fish Odour Syndrome) in a Child https://doi.org/10.7759/cureus.79318

突然の異臭、その正体は?

今回の主人公は、ポルトガルに住むごく普通の赤ちゃん

生後10か月のある日、初めて「魚のような臭い」が体から発せられました。

そのきっかけは、食事で初めて魚(メカジキなど)を口にしたことでした。

食事のあと、赤ちゃんの頭や手からは家族が思わず顔をしかめるほどの強烈な臭い――それも、まるで腐った魚のような悪臭が漂い始めたのです。

この現象はとても特異でした。

生後7か月で固形食を始めるまでは母乳のみで育ち、これまで健康そのものでした。

母親は驚きと心配から、すぐに魚を除いた食事に切り替えました。すると、臭いは消えました。

しかし数カ月後、再び魚を与えると、あの強烈な匂いがぶり返してきたのです。

いったい、赤ちゃんの体に何が起こっているのでしょうか。

母親は医師に相談しますが、診察のときには魚を食べていなかったため、匂いは確認できません。

成長や発達には全く問題がなく、血液検査でも腎臓や肝臓、甲状腺といった臓器に異常は見つかりませんでした。

手がかりとなったのは、「魚を食べるときだけ発生する匂い」でした。

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