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Credit:Prototaxites fossils are structurally and chemically distinct from extinct and extant Fungi
biology

4億年前の巨大キノコ、内部構造と成分を分析したら「植物でも菌でもない何か」だった

2026.01.23 21:00:35 Friday

約4億年前の地球に、高さ8メートルにもなる巨大な塔のような生物がにょきにょきと立っていました。

化石から「プロトタキシテス」と名付けられたこの生物は、数千万年にわたって陸上最大級の生き物だったと考えられ、長いあいだ巨大キノコ(菌類の仲間)だと考えられてきました。

化石には、当時の節足動物がかじった跡も残っていています。

しかしイギリスのエディンバラ大学(University of Edinburgh)で行われた研究によって、プロトタキシテスの体内構造や化学成分が現生のキノコ類とは根本的に異なることが分かってきました。

もちろん動物や植物の特徴にも当てはまりません。

そのため研究チームは、この塔は現在のどの生物とも縁がない、すでに絶滅した独立の多細胞生物の1つだったと考えられると結論づけています。生命が一度だけ試して今は消えてしまったこの“別ルート巨大化”の塔は、いったいどのような仕組みで栄養の乏しい原始の大地に立ち続けていたのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年1月21日に『Science Advances』にて発表されました。

 

Prototaxites fossils are structurally and chemically distinct from extinct and extant Fungi https://doi.org/10.1126/sciadv.aec6277

4億年前、木がない時代に出現した巨大な棒状生物

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Credit:Prototaxites fossils are structurally and chemically distinct from extinct and extant Fungi

私たちは学校で、生き物はだいたい「動物・植物・菌類」に分けられると習います。

最近の教科書では、そこに細菌や古細菌、原生生物も加わって、おおまかに「6つの界」に分けて説明されることもあります。

「地球の生き物は、このどれかに入る」と言われると、世界はきれいに整理されたように感じられます。

ところがプロトタキシテスという化石は、19世紀に発見されて以来、その分類でずっと扱いに困ってきました。

最初は「古代の針葉樹の幹」に見え、その後は「藻の塊」「苔を丸めたもの」「巨大な地衣類」など、いろいろな正体が提案されてきました。

最終的には「中身がチューブ状で、炭素の同位体比も植物らしくないので、巨大なキノコなどの菌類だろう」という説が有力になりました。

4億年前の地上は、足首ほどの高さの小さな植物がまばらに生える世界でした。

その中に、直径1メートル近く、高さ最大8メートルの塔が立っていたのです。

風景として想像すると、低い草原のあいだに、電柱のような太い柱だけがにょきっと並んでいる感じです。

しかも塔の表面には枝も葉もありません。

これが「巨大キノコ」だと言われると、なんとなくそれらしく見えてきます。

ただ、見た目がそれらしいからといって、本当に同じ仲間だと言い切ってよいのでしょうか。

形が似ているだけで、中身のつくりや材料がまったく違う生き物は、私たちの身の回りにも珍しくありません。

長年の推測を決定打に変えるには、「見た目」ではなく「中身」を確かめる必要がありました。

そこで今回研究者たちは、ライニーチャートから見つかった新しいプロトタキシテスの塔を、「中身の配線」と「成分の指紋」の両方から徹底的に調べ直し、本当に菌類と言えるのかどうかを検証することにしました。

もしこの塔が、植物でも動物でも菌類でもない「別ルートの巨大生命」だったとしたら、私たちが信じてきた生命の系統樹は、どんなふうに描き直されるのでしょうか。

次ページ内部構造は配管だらけで化学成分は菌とも違った

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