糖はどこへ消えた?高地で暮らすと下がる血糖値の謎
標高の高い地域で暮らす人々は、なぜか糖尿病になりにくい。
この現象はチベットやアンデス山脈など、世界各地の調査でたびたび報告されてきました。
さらに人間だけでなく、高地に住むネズミや鳥、チベットの豚なども、平地の仲間に比べて血糖値が安定していることが分かっています。
これほど多くの種類で共通して見られるということは、私たちの体には「空気が薄くなると血糖値を下げる」という共通の仕組みが備わっている可能性を示唆しています。
では、体内の糖分はいったいどこへ消えてしまうのでしょうか。
ジェイン博士らは最新の画像診断技術(PET/CT)を使い、酸素が少ない環境(低酸素状態)に置かれたマウスの体内で糖がどこに集まるかを詳細に分析しました。
当初は心臓や肝臓などの大きな内臓が糖をたくさん消費していると予想されていましたが、解析の結果、内臓だけでは増えた糖の消費量の約30%しか説明できないことが判明したのです。
残りの約70%という膨大な量の糖が、内臓以外のどこか、いわば「未知の吸収源」に吸い込まれていることになります。
ここで研究チームが注目したのが、血液の大部分を占める「赤血球(Red blood cells)」です。
空気が薄い場所に行くと、体はより多くの酸素を運ぼうとして、赤血球の数を平時の2倍近くまで増やすことが知られています。
研究チームは、低酸素ではない環境のマウスに赤血球を輸血して血中の赤血球量を増やすと、それだけで血糖値が下がることを確認しました。
逆に、酸素が少ない環境にいても、定期的な採血で赤血球が増えないようにすると、低酸素による血糖値の改善は起きにくくなり、血糖値は平地にいるときに近い水準に戻りました。
これらの実験から、赤血球こそが血液中の過剰な糖を回収する「隠れた主役」であったことが示されました。



























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