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紫外線カメラで木々で生じるコロナ放電の観測に成功 / Credit:P. J. McFarland(PSU)et al., Geophysical Research Letters(2026), CC BY 4.0
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雷雨のたびに木々は「目に見えない放電」で輝いている

2026.03.03 11:30:14 Tuesday

嵐で雷鳴が轟くと、ほとんどの人が空を走る稲妻に目を向けることでしょう。

しかしその瞬間、地上の森で生じていることに注目した科学者たちがいました。

米国のペンシルベニア州立大学(PSU)の研究チームは、雷雨の最中に木々の葉先で起きる「コロナ放電」という弱い電気現象を、特殊な紫外線カメラで世界で初めて直接とらえることに成功したのです。

研究成果は2026年2月12日付で学術誌『Geophysical Research Letters』にオンライン掲載されています。

Trees Are Sparkling with Invisible Blue Electricity During Every Thunderstorm https://www.zmescience.com/science/news-science/trees-are-sparkling-with-invisible-blue-electricity-during-every-thunderstorm/ Scientists Observe Electrical Discharges on Trees under Thunderstorms https://www.sci.news/biology/thunderstorm-tree-coronae-14586.html
Corona Discharges Glow on Trees Under Thunderstorms https://doi.org/10.1029/2025GL119591

雷雨の中で木々に生じる“静かな放電”を初めて観測

雷といえば、空から地面へと落ちる巨大な放電を思い浮かべます。

しかし雷の下では、それとはまったく異なる、もっと静かな電気現象が起きている可能性が長年指摘されてきました。

それが「コロナ放電」です。

コロナ放電とは、電気が尖った部分に集中したとき、空気中へ漏れ出すように生じる弱い放電のことです。

雷のように空気を数万度にまで熱する激しい現象ではなく、周囲より少し温度が上がる程度の穏やかな放電です。

しかし弱いとはいえ、電気が流れていることに変わりはありません。

これまで研究者たちは、雷雲が森の上を通過するとき、地面付近の電場が予想より弱まることに気づいていました。

その原因として、木の葉の先でコロナ放電が起き、電荷が空気中へ逃げているのではないかと考えられてきたのです。

ただし決定的な証拠はありませんでした。

コロナ放電のは非常に弱く、肉眼ではほとんど見えないからです。

そこで研究チームは、人の目ではなく「紫外線」に目を向けました。

コロナ放電は特定の紫外線を放出します。

研究者たちは、この紫外線だけを捉える特殊なカメラを搭載した観測システムを開発します。

彼らは望遠鏡と紫外線カメラを車に搭載し、GPSや電場計、気象観測装置も組み込んだ移動観測装置を作りました。

そして雷雨の中へ実際に車で乗り込み、ノースカロライナ州でモミジバフウやテーダマツの樹冠を観測したのです。

その結果、葉先で紫外線の光点が現れ、数分の1秒から数秒ほど続き、葉から葉へと飛び移る様子が記録されました。

風で枝が揺れると、その動きに合わせて光点も移動します。

これは、まさに葉の先端で放電が起きていることを示す直接的な証拠でした。

つまり「雷雨のとき、森の木々は放電している」という仮説が、初めて観測によって裏付けられたのです。

より詳しい数値や仕組みについては、次項で見ていきましょう。

次ページ木々の放電現象、その程度と影響は?

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