「睡眠時間」と「糖尿病」の関係とは
まず押さえておきたいのは、今回の研究が直接「糖尿病の発症」を調べたわけではない点です。
研究者たちが注目したのはインスリン抵抗性という状態です。
まず、私たちが食事をすると、血液中のブドウ糖(血糖)が増えます。
このとき膵臓から分泌されるのが「インスリン」というホルモンです。
インスリンは、血液中の糖を筋肉や脂肪の細胞へ取り込ませる働きをします。そうすることで、血糖値を正常な範囲まで下げるのです。
ところが体がこのインスリンに反応しにくくなる(抵抗性を持つ)と、血糖をうまく処理できなくなります。
すると、糖が細胞内に取り込まれず、血液中に残り、血糖値が上がって、糖尿病リスクが高まるのです。
この状態がインスリン抵抗性であり、2型糖尿病の前段階と考えられています。
チームは、このインスリン抵抗性を間接的に評価できる指標として「推定グルコース処理率(eGDR)」という値を用いました。
eGDRはウエスト周囲径や血糖値、血圧などのデータから計算される指標で、数値が高いほどインスリン抵抗性のリスクが低いとされています。
分析に使用されたのは、米国で実施されている大規模健康調査「NHANES」のデータです。
研究では2009年から2023年までの調査を利用し、20〜80歳の成人2万3475人が対象となりました。
参加者の平均的な平日睡眠時間は約7時間30分でした。
さらに約半数の人が「週末に平日より長く眠る」と回答しており、いわゆる週末の寝だめが一般的な習慣であることも分かりました。
こうしたデータを統計的に分析した結果、睡眠時間とeGDRの関係には興味深いパターンが見えてきました。


























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