人間は「音の美意識」を動物たちと共有している
人間は「音の美意識」を動物たちと共有している / Credit:Canva
biology

人間は「音の美意識」を動物たちと共有している

2026.03.27 20:00:05 Friday

花の香りや蝶の色、鳥のさえずりを「きれいだな」と感じるのは、当たり前のようでいて、実はかなり不思議なことです。

なぜなら、それらはもともと私たち人間を喜ばせるために進化したわけではないからです。

なのに私たちは、そこに後から入ってきた部外者なのに、「あ、いい音」と反応してしまいます。

今回の研究では、この不思議を真正面から調べ、人間の耳や脳の奥には、動物たちとある程度共有された美しいと思う「感じ方の土台」が残っている可能性が示唆されました。

研究内容の詳細は2026年3月19日にカナダのマギル大学(McGill)やアメリカのテキサス大学オースティン校(UT Austin)などによって『Science』にて発表されました。

Humans share acoustic preferences with other animals https://doi.org/10.1126/science.aea1202

なぜ人間なしで進化した動物の鳴き声を美しいと感じるのか?

なぜ人間なしで進化した動物の鳴き声を美しいと感じるのか?
なぜ人間なしで進化した動物の鳴き声を美しいと感じるのか? / Credit:Canva

初めてウグイスの鳴き声を聞いた時、あなたはどう思ったか覚えていますか?

詳細に覚えているひとは少ないでしょうが「その声の醜さに思わず耳をふさぐ」ということはしなかった人が多いでしょう。

むしろ「アッ!」という驚きや興味だけではなく「良い音」と感じたことだと思います。

また南国の色鮮やかな羽の鳥を初めてみた多くの人々も、「美しい」と思うでしょう。

南国の鳥の鮮やかな色、草木の綺麗な色合い、鈴虫やカエルや鳥たちの発する美しい音。

これらの多くは、生物どうしのやり取りの中で、相手に届きやすい特徴が選ばれてきた結果だと考えられます。

そして、この進化は先に述べたように、人間不在のまま起きたにもかかわらず人間もそれらを「美しい」と感じてしまいます。

クジャクのオスの美しい尾羽は、クジャクのメスに気に入られるための信号として進化したのに、全く別の種である人間に「美しさ」の感動を覚えさせてしまっているのです。

これは単なる偶然の一致に過ぎないのでしょうか?

実は、これまで種をまたぐ音の研究が主に見てきたのは、警戒音、苦痛音、攻撃音や服従のサインのような“イヤな音”でした。

ざらついた悲鳴や切迫した鳴き声は、多くの動物で不快に感じられ、人間もそこにかなり敏感です。

ですが今回の研究はあえてその逆、つまり種をまたぐ「美しさの認識」について調べることにしました。

次ページ種を超えた音の美意識が存在する

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

ゲーム

1位

2位

3位

4位

5位

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!