なぜ「手だけ」がミイラになったのか
【ハンガリー墓地で見つかった緑色の手の遺骨の画像がこちら】
この遺体が見つかったのは、ハンガリー南部ニャールロリンツの中世墓地です。
墓地の遺骸の多くは西暦1200年から1600年頃のものですが、この赤ちゃんの手に握られていた硬貨は1858年以降にしか流通していないものでした。
つまり、埋葬者は、すでに使われなくなった墓地に、当時流通していた銅貨を赤ちゃんに握らせて埋葬したと考えられます。
遺体は壺の中に納められた未熟児で、骨格の大きさから妊娠6〜7カ月ほどで亡くなったと推定されています。
そして最も目を引いたのが、片手だけがミイラ化していたという点でした。
通常、ミイラ化は乾燥や低温など特別な環境で起こります。
しかしこの墓地では、周囲の遺体はすべて通常通り腐敗しており、環境条件だけでは説明できませんでした。
そこで研究チームは化学分析を実施します。
すると驚くべき事実が判明しました。
この乳児の体内には、通常の約500倍もの銅が含まれていたのです。
しかもその銅は、特に手の周辺に集中していました。
ここで重要なのが、銅の性質です。
銅には強い抗菌作用があり、細菌による分解を抑える働きがあります。
つまりこのケースでは、
・銅貨から溶け出した銅が体内に浸透
・微生物の働きを抑制
・分解が止まり、組織が保存
という流れで、ミイラ化が起きたと考えられます。
そして銅が集中していた「手」だけが、結果としてミイラ化したのです。


























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