その1:欲しい物より「自由時間」を買う
「やることが多すぎて、いつも時間に追われている」
このような感覚は、現代人にとって珍しいものではありません。
行動科学では、自分に必要な時間が足りず、毎日の時間を自由に管理できない状態を「時間貧困」と呼ぶことがあります。
ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、慢性的に時間が足りないと感じている人ほど、生活満足度やポジティブな感情、メンタルヘルスの指標が低い傾向にあることが報告されています。
大切なのは、単純に暇な時間が多ければよいということではありません。
「自分には十分な時間があり、その時間の使い方を自由に決められる」という感覚が重要です。

興味深いことに、お金を物の購入ではなく、時間を取り戻すために使うことも、幸福度の向上と関連しています。
たとえば、家事を外部のサービスに任せたり、移動時間を短縮するために便利な交通手段を使ったり、負担の大きな作業を簡略化したりする方法です。
先行研究では、物を買うことよりも時間を買うことを優先する人ほど、生活満足度が高い傾向にありました。
しかし実際には、時間を取り戻すためにお金を使う人は、それほど多くなかったとされています。
私たちは買い物をするとき、商品の価格には敏感ですが、その選択によって失われる時間については、十分に考えないことがあります。
仕事や収入に関する大きな決断をするときも、「いくら稼げるか」だけで判断するのでは不十分です。
その選択によって、自分の時間や生活を自分で決める権利がどれほど失われるのかも考える必要があります。
お金は幸福を直接買うことはできません。
しかし、使い方によっては、幸福に必要な時間と自由を取り戻す手段になるのです。



























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