においで保たれていた2種の境界が「川の汚染」で崩壊している可能性
研究対象は、メキシコの山地河川に生息する近縁なソードテール属の2種、Xiphophorus malincheとXiphophorus birchmanniです。(画像はこちら。※プレスリリース)
どちらも全長約5センチで、同じ川に暮らし、交雑して子孫を残すこともできます。
それでも通常は、同じ種や近い遺伝的背景を持つ相手を選ぶ傾向があるため、2種の違いは保たれます。
こうした異なる種同士の交配を妨げる仕組みが「生殖的隔離」です。
ソードテールの配偶者選びでは、においが重要な手がかりになると考えられています。
今回、研究チームは、人間活動による水質変化が嗅覚を乱し、生殖的隔離を弱めている可能性を調べました。
調査はメキシコのウアステカ地方にある4つの河川の少なくとも10地点で行われました。
また研究チームは数千匹の魚のゲノムを解析し、それぞれが2種の遺伝的特徴をどの程度受け継いでいるかを調べました。
さらに水質や周辺の土地利用を調査し、魚の嗅上皮を顕微鏡で観察。
母親と胎内の胚の遺伝情報から交配相手の系統を推定し、一部では水質要因を再現した曝露試験も行っています。
その結果、交雑の状態は河川ごとに大きく異なり、都市化した町の下流では2種の遺伝的境界が崩れていました。
同じ場所では水質の変化、嗅覚組織の損傷、同じ系統の相手を選ぶ傾向の低下も確認されました。
より詳細な結果を次項で見ていきましょう。


































