スイスの氷河が1年で「体積の5%以上」を失ったと判明
スイスの氷河が1年で「体積の5%以上」を失ったと判明 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
geoscience

スイスの氷河が1年で「体積の5%以上」を失ったと判明

2026.10.04 19:50:00 Sunday

暑い日にアイスを買って帰る途中、袋の中で少しずつ柔らかくなっていくのを感じて、思わず早足になることがあります。

スイスのアルプスには、山の上に大きな氷の塊が横たわる「氷河」がいくつも存在しています。

その氷河は2026年、雪の少ない冬と、暑く乾いた夏を立て続けに迎えることになりました。

スイスの氷河観測ネットワーク「GLAMOS」は、この1年の氷河の変化を測定し、その結果はスイス科学アカデミー(SCNAT)の年次報告として発表されています。

では、厳しい季節を越えたスイスの氷河は、1年でどれほどの氷を失ったのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月23日に『ETH GLAMOS Publications』にて発表されました。

Devastating year for Switzerland's glaciers after extreme heat and low snow (Phys.org) https://phys.org/news/2026-09-devastating-year-switzerland-glaciers-extreme.html
Annual mass balance on Swiss glaciers in 2026 https://doi.org/10.18752/annualrep_2026

氷河を守る「雪の覆い」が消えた年

氷河を守る「雪の覆い」が消えた年
氷河を守る「雪の覆い」が消えた年 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

今回の報告の土台になっているのは、GLAMOSが長年にわたって集めてきたスイスの氷河のデータです。

GLAMOSは、スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)、フリブール大学、チューリッヒ大学に拠点を置く観測網です。

報告の要旨によると、この報告は氷河が1年でどれだけ増えたか減ったかを表す「年間の質量収支」の測定結果をまとめ、ほかの年と比べた暫定的な評価も示しています(なお要旨では、測定は2025年9月に行われたと記されています)。

まず押さえておきたいのは、2026年の氷河がどんな天気の中に置かれていたかです。

2025年から2026年にかけての冬は、観測が始まって以来、雪が最も少なかった10回の冬の1つに数えられました。

氷河にとって雪は、氷の上にかぶさって守ってくれる覆いのような存在です。

ところが2026年は、その少ない雪のあとに、5月から9月まで暑く乾いた天気が続きました。

夏の熱波で、気温が0℃になる高さ(凍結高度)は標高4000メートルより上まで押し上げられ、そうした日は76日にのぼりました。

これは平均の2倍を超える日数で、スイスの記録です。

この暑さで、最も標高の高い場所でさえ、過剰な融解が起きました。

そして9月には標高3500メートルの場所にも雪が残っておらず、氷河は守ってくれる雪の覆いを失った状態になりました。

では、9月には守ってくれる雪の覆いを失っていたスイスの氷河は、この1年でどうなっていたのでしょうか。

次ページ1年で消えた氷は全体のどれくらいだったのか?

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

地球科学のニュースgeoscience news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!