不可能図形をご存知でしょうか。
一種の錯視によって、立方体にみえても実際には立体化できない図形のことです。
有名なものに、ペンローズという数学者が生み出した「ペンローズの階段」があります。
上記の画像をよく見てください。「永遠に上り、もしくは下り続けなければいけない」ことに気付くと思います。これは二次元の歪みのパラドックスを利用した、三次元では表現不可能な図形なのです。
そんな二次元にしか存在しない図形ですが、人は「不可能」とか「二次元から出てこない」とかいわれると、不可能を可能にする生き物なのかもしれません。
今回はそんな情熱にあふれた人々を見ながら、ぜひみんなも彼らの仕掛けを考えてみてください。
エッシャーの階段
2013年、ネット民をザワつかせる「ありえない」映像がアップされました。
その名も「エッシャーの階段(The Escherian Stairwell)」。
ロチェスター工科大学の学生が不可能図形をつくりやがったと、海外のネット民はこぞってその謎解きの虜となりました。
エッシャーとは「視覚の魔術師」とも称されるオランダの画家マウリッツ・エッシャーのことで、先程の「ペンローズの階段」から着想を得たもの。左回りなら下り続け、右回りなら上り続けるという実際にはありえないこの図形を、彼はいかにして作成したのでしょうか。
現れたのは一人の男性。こちらを挑発するかのように、振り返りながら階段を上ると……
階段を上に上っていったはずの男性が、間髪いれずに下の階段から現れました。
一体これはどういうからくりなのでしょうか。もしや本当に実現不可能な図形が実体化してしまったのでしょうか。
もちろんそんなはずはなく、どうやら錯視やカメラ編集を使ったフェイク映像だそうです。少し残念な気持ちはありますが、ここでは終わりません。実はその映像手法は、いまだに明かされていないのです。
ネット上では映像に「腕が半分切れた男の子が映っている」ことが話題となり、少なからず映像は編集されていることが伺えます。