腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明!
腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明! / Credit:Canva . ナゾロジー運営部
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腸は第2の脳ではなく、むしろ「脳の方が腸から生まれた!?」 (3/3)

2021.11.18 17:34:09 Thursday

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腸内細菌叢は脳より古い起源をもっている

腸内細菌嚢は脳より古い起源をもっている
腸内細菌嚢は脳より古い起源をもっている / Credit:Canva . ナゾロジー運営部

この研究により、ニューロンの謎に包まれていた起源が、消化システムを制御する細胞(ニューロイド)から派生した可能性が示されました。

ニューロイドで同じような遺伝子が働いているだけなく、ニューロンのシナプスにソックリな接合部を持ち、同じ神経伝達物質を分泌し、細菌叢の維持にもかかわっていました。

神経系が存在しない海綿動物の消化システムでみつかったニューロイドは、その類似性から、後のニューロンの原形であり、ひいては神経系や脳の起源となったと考えられます

そして腸内細菌などの共生細菌の存在は脳にとって、自分の親である腸と友誼を結んだ、古株のオジキ的な存在と言えるでしょう。

脳が腸内細菌の指令を受けて活動を変化させるのも、進化の過程をみれば納得できます。

腸内細菌を持たないマウスが「ボッチ」になる理由が明らかに

ただ全てのニューロンがニューロイドを起源にしているかまでは、断定できません

いくつかのニューロンは消化システムの制御機能よりも、筋肉細胞のほうにより多く一致する部分があるからです。

研究者たちは今後、海綿動物の細胞を分析することで、神経系の複雑な起源を解明できると考えています。

生命の進化過程の探求は今後も、豊かな思考の糧を与えてくれるでしょう。

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腸は第2の脳ではなく、むしろ「脳の方が腸から生まれた!?」 (3/3)のコメント

ゲスト

食べるだけでは満足せずにそれを使うことも始めたわけですね。

ゲスト

腸すごい

ゲスト

脳なくても腸はある生物多いしな
人間は脳や知性を神聖視しすぎてる
ただ食事を効率良くするための補助システムでしかないよ

鈴木

記事を読んでも話が見えてきません。
海綿動物はそもそも胃や消化管を持ってましたっけ?
単細胞生物の襟鞭毛虫と形態のよく似た襟細胞がボディに空いた穴の内側にシート状に並んでいて、それぞれの細胞が細胞内消化によって養分を得ているイメージがあります。管内消化をしない腔所まわりの介在神経っぽい細胞をどう呼ぶか微妙です。
シート状の襟細胞が協調して腔所内に水流を発生させているわけですから、流れの方向や強弱について、何らかの制御/変調機構があるでしょきっと と思われます。細胞間生理活性物質の拡散だけでなく、直接的な細胞間コミュニケーションがあってしかるべきという点で興味深い報告ですね

カイメンの種類によっては、すり鉢ですりつぶしても、元の形状に近い形に再集合できると聞きます。その際に、介在神経っぽい細胞が元の体と同じようなトポロジーで再構成される様を見てみたいです

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