宇宙空間では凍死するまえに窒息と膨張で死んでしまう
宇宙空間で人間が死ぬ要因は、膨張だけではありません。
真空状態では肺から空気が抜けてしまうため、数分で窒息してしまうのです。
では、人間が宇宙空間で凍り付いて死ぬことはあるのでしょうか?
答えはNOです。
ほとんどの宇宙空間は-270℃なので、そこにさらされた人体は瞬時に凍るように思えます。
しかし実際には、体温がすぐに放出されることはありません。
なぜなら、そもそも温度の変化とは、「熱を伝える」ことによって生じるからです。
真空では熱を伝える物質が存在しないため、地球上のように、人体の熱が他の物質(空気など)に伝わって失われていくことがないのです。
とはいえ体内の水分の蒸発に伴って、人体から熱が奪われていくのは事実です。
水分量が多い口や鼻周りはうっすら凍るかもしれません。
しかし体の他の部分の蒸発量は少ないため、冷え方はとても緩やかです。
また、あらゆる物体は自身の熱を電磁波として放射し続けています。
人体も例外ではありませんが、この放射もゆっくりと起こるので、一瞬で体が凍ったり、体温低下ですぐに死んだりすることはありません。
今回は、宇宙空間で人体がどうなるのか考えてきました。
ここまでの情報をまとめると、宇宙空間へ出た人間は10秒ほどで意識が失われ、数分以内に酸素不足と膨張で死んでしまうようです。
しかしそれは急激に起きる変化ではなく、ゆっくりと生じるもので即座に命を失うような変化は起きないと考えられます。
そのため短時間なら人間は宇宙空間へ生身で飛び出しても耐えられる可能性があります。
とはいえ意識は10秒程度で失われてしまうことを考えると、「そんな危険を犯すべきではない」のは確かでしょう。
※この記事は2021年11月に公開のものを再掲載しています。
磁気圏外だと高濃度で大量の放射線で一瞬で死にそう
これはとても興味深い
逆襲のシャアでクエス・パラヤが一瞬生身で宇宙空間に飛び出すシーンの事が真っ先に浮かびました。当時のアニメ誌にもいろいろ書かれていたように記憶していますが、概ねこの記事のような「一瞬なら大丈夫、すぐに死ぬわけじゃない」という感じだったと思います。富野監督が真空の宇宙空間で人の振る舞いがどうなるのかを、結構細かく科学的に考えて作ったシーンだったと思われます。