薬指が長い女性は「力が強い」
2D:4D比とは、人差し指と薬指の長さの比率を示すもので、DはDigit(指)を、2Dは親指側から数えて2番目の指、つまり人差し指を、4Dは同じように数えて薬指を指します。
「2D:4D比が高い」というと、人差し指の方が長いことを示し、「2D:4D比が低い」というと、薬指の方が長いことを示します。
研究主任のカトリン・シェーファー(Katrin Schäfer)氏いわく、2D:4D比が低い(薬指の方が長い)と、出生前のテストステロン(男性ホルモン)への曝露が高いことを示し、成人してからの握力が高いことと強く関連しています。
これはかなり以前から男性について確立されている事実でしたが、女性ではまだ調査されていませんでした。
そこで研究チームは、オーストリア在住の健康な女性125名(19歳〜31歳)を対象に、2D:4D比と握力を測定しました。
2D:4D比の測定には、モバイルA4スキャナー(CanoScan LiDE 200)を、握力の測定には、ダイナモメータと呼ばれるハンドル付きの装置を使用しました。
握力は、医療現場でも患者を対象によく測定されており、握力の低下は、心血管疾患や慢性閉塞性肺疾患など、さまざまな慢性疾患の重症度の上昇リスクと関連します。
2つのデータを比較分析した結果、女性の2D:4D比と握力の間には、「明確な関連性」があることが分かりました。
薬指の方が長い女性は、人差し指の方が長い女性に比べて、握力の平均値が高かったのです。
これは、双方の関連性に影響を与える可能性のある、年齢・身長・生活環境・民族・肥満度・週あたりの運動時間などの潜在的な交絡因子をコントロールしても変わらなかったという。
このことから、2D:4D比は、男性だけでなく女性においても、出生前のテストステロン暴露のバイオマーカーとして支持されると結論できます。
同チームのソーニャ・ヴィンドヘイガー(Sonja Windhager)氏は「私たちは、2D:4D比が信頼できるバイオマーカーであり、人体の研究において、有効に利用できる最高の非侵襲的バイオマーカーであると考えている」と話します。
機会があればパートナーや友人の女性の指をそっと調べてみてください。
もし人差し指より薬指の方が長ければ、あまり怒らせないほうが良さそうです。