印象的なコーラのCMが、脳に味以外の幸福感を与えていた
研究チームは、参加者たちがブランド名を知らずに飲んでいるときと、ブランド名を知って飲んでいるときの脳の状態をfMRIで調べることにしました。
その結果、それぞれの条件で反応する脳の領域が異なっていると判明。
参加者がブランド名を知らないときは、脳の前頭前皮質と呼ばれる特定の快感中枢が反応していました。
この脳の領域は、私たちが美味しい食べ物や飲み物を楽しんでいるときに、特に反応する部分です。
つまり味から快感を得ていると分かります。
一方、参加者がブランド名を知っている場合に反応した脳領域は、感情や記憶に関係する部位でした。
つまり参加者たちは、ブランド名を知っていることで感情が動き、ペプシコーラよりもコカ・コーラを好むようになったのです。
研究チームは、コカ・コーラの広告キャンペーンが参加者たちの記憶に大きな影響を与えた、と結論付けています。
確かにコカ・コーラはかなりCMに力を入れている印象があり、サンタクロースの衣装が赤なのはコカ・コーラの広告イラストがきっかけだったという話もよく聞きます。
日本でも夏場のコカ・コーラのCMは印象的だったという人も多いでしょう。こうしたCMのインパクトで人々にコカ・コーラを飲んだときに幸福感を得るようになっているようです。
ペプシ・コーラのCMだとペプシマンが有名なので、ペプシマンが大好きという人はブランド名を聞いたときペプシを選ぶかもしれません。
この研究から、コーラ戦争の勝者を決めるのは、僅かな味の差ではなくマーケティング力であるとはっきり分かります。
実際、多くの企業はマーケティングに力を注ぎ、現在進行形で私たちの好みを獲得しています。
もし純粋な味だけで評価したいと思うなら、友人と一緒に今回のような実験を試してみてください。
目隠しをしてどっちのコーラが好みか選んで見ると、案外、好きなブランドと逆を選んでいたなんてことがあるかもしれません。