極端に巨大な目の意味
分析の結果、カリキマエラの目の大きさは、体長の約16%に及んでいたことがわかりました。
これについて、ジェンキンス氏は次のように説明します。
「私の身長は約158cmですが、もし私の目をカリキマエラと同じ比率にして考えた場合、目の直径が23cmを少し超えるほどのサイズになります」
23cm以上の目を持つ人間を想像すれば、カリキマエラがいかに極端な大きさの目を持つ生き物だったかが理解できます。
これほど大きな目を持つ生き物は、間違いなく非常に高い視覚能力を持っていたはずです。
現存するカニの目のサイズは、体長に対して大きくても3%程度しかないため、カリキマエラの特徴はまったく対照的です。
また、調査の結果、カリキマエラの目の成長速度はどのカニよりも非常に速かったこともわかりました。
目の成長が非常に速いカニは、視覚に頼る傾向が強く、おそらく狩りにおいても目を使って捕食行動をしていたと考えられます。
逆に目の成長が遅いカニは、視覚にあまり頼ることがなく、現在のカニと同様に死肉を漁るスカベンジャーだったと考えられるのです。
そのためカリキマエラは、目を発達させた優れた捕食者だった可能性が高いようです。
ジェンキンス氏はもともとは爬虫類が専門の研究者でしたが、現在はカニについてもっと知りたいと話しています。
目は口ほどに物を言うといいますが、それは化石でも同様だったようです。