光の波長を変化させる赤いプラスチックで農作物がよく育つ
研究チームが開発したのは、太陽光を吸収・放出する特殊な染料です。
これをプラスチックと組み合わせることで、太陽光の波長を操作する色付きプラスチックとなります。
例えば、今回利用されている赤色のプラスチックは、太陽光を吸収した際、緑色の波長(500~600nm)を赤色の波長(600~700nm)に変換。
これにより緑色の光を少なく、赤色の光を多く放出でき、光合成の効率を向上させられるのです。
そしてこの新しい材料「LLEAF」を使った実験も行われました。
光合成を促進する赤いLLEAFを温室の天井に取り付け、いくつかの農作物の収穫量が変化するか調べたのです。
その結果、それぞれの収穫量は以下のように変化しました。
- チンゲン菜:37%増
- ロメインレタス:14%増
- バターヘッドレタス(サラダ菜):27%増
温室の天井を変えるだけで、収穫量を平均2~3割も増やすことができました。
LLEAF自体は安価であり、既存の施設にも適用できるので、生産者たちにとっては画期的な発明だと言えるでしょう。
とはいえ、この新しい試みには懸念点もあるようです。