伝説は本当だった!15世紀、隕石による大津波が発生していた
研究チームによると、「トンガ周辺の地質学的な活動状況(プレート運動、活断層、火山など)からすると、これらが原因で巨大な岩を動かすほどの津波が生じたとは考えられない」とのこと。
一方で、この地域の海底には大きなクレータが存在します。
このことからチームは、隕石の衝突で大津波が発生したと推測。
そして隕石衝突の影響をシミュレーションした結果、最大30mの津波がトンガ大首長国の島々を襲ったと算出しました。
つまり当時勢力を拡大し繁栄を続けてきたトンガ大首長国は、隕石と大津波によって突如壊滅的な影響を受けたのです。
研究チームは、この出来事によってトンガ大首長国の時代が終焉を迎えたと結論付けています。
そしてこの新しい事実は、現在のトンガ王国やニュージーランド、オーストラリアに残っている「赤い波」伝説と一致します。
この「赤い波」とはトンガ語で津波を意味するようです。
以前から「隕石が降ってきた」「赤い波によって多数の岩が堆積した」という伝説が語り継がれてきましたが、今回、科学的手法によってこれら伝説が真実だったと明らかになったのです。
さて今回の現地調査により、これまで謎だった16世紀以前のトンガの歴史的イベントが解明されました。
この結果は太平洋諸島における今後の歴史研究に大きな影響を与えることでしょう。