ハープのような見た目の深海生物「コンドロクラディア・リラ」
ハープのような見た目の深海生物「コンドロクラディア・リラ」 / Credit: The harp sponge: an extraordinary new species of carnivorous sponge
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まるでハープみたいな深海生物「タテゴトカイメン」とは

2022.03.20 Sunday

不思議な形状を取ることが多い深海生物の中でも、特に目を引く生物の1つが楽器のハープにそっくりな姿をした「タテゴトカイメン(和名)」です。

正式名称(学名)は「コンドロクラディア・リラ(Chondrocladia lyra)」。

この生物はモントレーベイ水族館研究所(MBARI)のロニー・ランドセン博士率いる研究チームにより、2000年にカリフォルニア沖の水深およそ3300mで初めて発見されました。

見た目だけでなく、その機能も独特なタテゴトカイメンの生態に迫ります。

研究は、2012年10月にモントレーベイ水族館研究所(MBARI)によって発表されました。

New carnivorous harp sponge discovered in deep sea https://doi.org/10.1038/nature.2012.11789
An extraordinary new carnivorous sponge, Chondrocladia lyra, in the new subgenus Symmetrocladia (Demospongiae, Cladorhizidae), from off of northern California, USA http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ivb.12001/full#ivb12001-sec-0008

タテゴトカイメンの個性的な生態

2枚の羽根を持つコンドロクラディア・リラ
2枚の羽根を持つコンドロクラディア・リラ / Credit: The harp sponge: an extraordinary new species of carnivorous sponge

本当に生物なのか疑問に感じてしまうほど、奇妙な姿をしたタテゴトカイメン。

この生物は、カリフォルニア沖の深さ約3300mの海底に、柔らかい泥に根を張るようにして生息しているのが発見されました。

体調はおよそ37センチあり、海綿動物のなかでは大きい部類です。

ハープのような羽根の数は個体によって異なり、1枚しかない個体もいれば最大6枚の個体も確認されています

放射状に伸びる羽根はほぼ等角に広がっており、対称性があります。

この生物に対して、アニメ作品「エヴァンゲリオン」に登場する使徒みたいという感想もあるようですが、その印象はこの不思議な幾何学的構造にあるのかもしれません。

また分類上は動物ですが、リゾイドという植物の根っこのような構造を海底に張って、海流に負けず、自身を固定しています。

次ページハープのような羽根の構造はなんなのか?

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