奇跡の生還を遂げたアーネスト・シャンクルトン氏と隊員たち
28人の探検隊員たちは、陸地から数百kmも離れた流氷上に孤立しました。
外部との連絡手段はなく、物資も限られていたようです。
そのため彼らはエンデュアランス号から運び出していた3隻の救命ボートを使って、陸地を目指すことに。
道中では、なるべく持参した保存食に手を付けず、アザラシやペンギンを食料としました。
ところが徐々にそうした食料も手に入らなくなり、最終的には同行したそり犬も食べるしかなかったようです。
そして、長い漂流の果になんとか南極海のエレファント島に到着。
しかしエレファント島は航路から大きく外れており、近くを通る船は全くありませんでした。
しかもエレファント島は岩や氷に覆われた不毛な土地だったようで、ただ待っているだけでは助かる見込みがありません。
そこでシャンクルトン隊長は、他の5人の選抜メンバーと共に、僅か7mのボートに乗って助けを求めに出ました。
そして暴風と強い海流のなか、1500kmを14日間漂流し、何とかサウス・ジョージア島にたどり着いて救助を求めることができました。
とはいえ救助活動は順調に進まず、結果的にエレファント島に救助船が来たのは、4カ月後だったようです。
それでもエレファント島に残った22人は、その過酷な状況で生き残り、シャンクルトン氏らと再会を果たしました。
エンデュアランス号の沈没と帝国南極横断探検隊の奇跡的な生還劇は、大きな話題を呼びました。
これらのエピソードを元にした数々の書籍や映像作品が生み出されるほど、人々の心に残り続けたのです。
しかし1つだけ心残りがあります。
生還した隊員たちとは対照的に、沈没したエンデュアランス号は見つかっていないのです。
そしてこの事件から100年以上経った今、なんとエンデュアランス号が見つかったと報告されました。