100年のときを超えてエンデュアランス号が発見される
隊員たちを生存に導いたリーダーのシャンクルトン隊長は、1922年に亡くなりました。
それからちょうど100年が経過した2022年、フォークランド海洋遺産財団はエンデュアランス号の調査隊「エンデュアランス22」を派遣。
彼らの調査により、沈没した地域から約6km離れた地点でエンデュアランス号を発見できました。
エンデュアランス号は水深3008mの暗くて冷たい海の中で、100年間も眠っていたのです。
調査隊が撮影した映像から分かるとおり、エンデュアランス号は100年前の難破船とは思えないほど、美しい状態を保っています。
船尾には、「ENDURANCE(エンデュアランス)」という文字がはっきりと残っていますね。
エンデュアランス22の探索隊長であるメンサン・バウンド氏も、「私が今まで見てきた中で、最高の木造難破船です」と述べました。
発見されたエンデュアランス号の残骸は、南極条約の下で史跡および記念碑として保護されているため、調査や撮影においても、触れたり回収したりすることは禁じられています。
当分は、このまま南極の海で保存され続けることになるでしょう。
失われたエンデュアランス号が我々の前に還ってきたことで、帝国南極横断探検隊の物語にはようやく終止符が打たれたことになります。
南極大陸の漂流から奇跡的に生還したリーダーと隊員たちの伝説は、エンデュアランス号の発見をもって幕を閉じたのです。