特殊レンズが「光を曲げて」物体を透明化
開発されたステルスシールドは、その後ろの人や物が存在しないかのように「見えなく」します。
もちろん、不透明なただの板ではありません。
すりガラスのように若干ぼやけていますが、シールドを通しても背景の色や模様がしっかりと透けて見えるのです。
では、どのような仕組みで物体だけを消しているのでしょうか?
ステルスシールドには、光を屈折させる特殊レンズが利用されています。
この小さな特殊レンズが、入射した光を内部で反射または屈折させるのです。
そして角度や位置が計算された特殊レンズが複数配列されることで、1枚のステルスシールドがつくられます。
そのため、ステルスシールドの光の通し方は、通常の透明なガラスとはまったく異なります。
通常のガラスであれば、物体からの光(太陽光が物体に当たって反射した光)も背景の光も、ガラスをまっすぐ通過して観測者の目に届きます。
しかしステルスシールドの場合は、物体からの光が屈折・拡散し、観測者の目になるべく届かないようになっているのです。
つまり、観測者が見ている映像は、シールドのすぐ後ろ(物体)から届くほんの僅かな光と、もっと後ろの背景から届く膨大な光が混ざって合成されたものなのです。
また開発チームによると、「特殊レンズの配列方向により、水平方向に同じパターンをもつ背景での利用が効果的」とのこと。
たとえば、草原や砂浜、空、壁、水平にひかれたライン、階段などが該当します。
さて開発チームは、自社の製品について「これまでで最高の透明シールド」と主張しています。
実際のところ、完全な透明シールドと言えるかは微妙なところですが、ステルスシールドとしての実用が可能でしょう。
現在、数種のステルスシールドがあり、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」の支援額に応じて入手可能。
スモールサイズ(310×210mm)は65ドル(約7700円)、フルサイズ(950×650mm)は394ドル(4万6800円)となっています。
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