うつ症状が強いほど、まわりに相談できない
1つ目のコロナ禍における「親子の生活と健康実態調査」では、全国50自治体から選ばれた小学5年生~中学3年生の子ども2418名(回答率53%)、保護者2451名(回答率54%)に調査票を送り、アンケートに答えてもらいました。
2つ目の「コロナ×こどもアンケート第7回調査」では、SNS等でアンケート参加を呼びかけ、小学1年生~高校3年生の子ども487名、0歳~高校3年生の子の保護者、計3282名に協力してもらいました。
その結果、前者では小学5~6年生の9%、中学生の13%に、後者では小学5~6年生の13%、中学生の22%に中等度以上の抑うつ症状が確認されています。
また、アンケートにて、典型的な抑うつ症状を示している子どもの描写を読んでもらったところ、その子に対し、小学5年生~中学3年生の94~95%が「助けが必要な状態である」と回答しました。
にもかかわらず、「もしあなたが同じような状態になったら誰かに相談しますか」という質問に対し、小学5~6年生の25~29%、中学生の35~51%が「相談しないで自分で様子をみる」と回答したのです。
しかも、その傾向は、抑うつ症状が重い子どもほど割合が高くなっていました。
また保護者も、「自分の子が同じ状況だったら、病院に受診させず様子をみる」と答えたのは、前者の調査で29%、、後者の調査で22%となっています。
受診を見送る理由としては、「受診が必要かわからない」「少し様子を見た方がいい」「どこの病院に行けばいいかわからない」などがありました。
こうした状況を改善するには、家庭や教育現場、また社会全体で、子どもの「こころのケア」を支援する体制を整える必要があります。
こころの問題については、人に相談するほどのことではないと軽く見てしまう傾向があるようです。
子どもにも保護者にも、気軽に相談できる場所が必要なのかもしれません。