健康と要介護の中間である「フレイル」状態
人間は老化すると認知機能や身体機能が衰え、次第に1人では生活ができなくなっていきます。
日本ではそのような人々に対して「要介護」の認定制度があり、認定されると国から給付金が貰える仕組みになっています。
ただここで支払われるお金は税金から出ており、要介護となる人の増加は税負担の増加につながります。
そこで重要になるのが「要介護」の前段階となる「フレイル」状態です。
フレイル状態は要介護ほどではないものの、精神や身体が大きく衰弱していることが知られており、健康と要介護の中間地点にあります。
一般に「ちょっとボケてる」や「体の自由が効かなくなってきた」と表現されることがあるのは要介護段階に入ってからではなく、このフレイル段階にあたると言えるでしょう。
ただこのフレイルの段階になっても希望はあります。
「要介護」から「健康」に戻るのが極めて困難である一方で、適切なケアと訓練を行えば「フレイル」状態から「健康」に戻ることは、十分に可能であるとされてるからです。
そのため人々がフレイル状態になるかを事前に予測する手法の開発は、超超高齢化社会(高齢化率28%以上)を迎えた日本にとって必須となっています。
そこで今回、岡山大学の研究者たちはフレイル状態を予測する手段を開発するために、60歳以上の健康な人々(平均年齢72歳)の健康や発音能力を2年間にわたり追跡調査しました。
すると意外な事実が判明します。