「失語症」ってどんな病気? 治療は可能か
失語症(aphasia)は、ひとことで言うと、脳の損傷により、「話す・聞く・読む・書く」といった言語能力に障害が出る状態です。
脳卒中や脳腫瘍、事故による頭部外傷が、おもな発症原因とされています。
とくに、脳卒中と頭部外傷の直後に失語症を発症するケースが多いようですが、ブルース氏の場合は、どちらも報告されていないという。
アメリカでは少なくとも200万人の失語症患者がおり、毎年約18万人が新たに失語症と診断されています。
日本でも年々増加の傾向にあり、2017年時点で、約50万人の患者が確認されています。
おもな症状と、維持される能力は?
また、失語症と似た症状に「構音障害」がありますが、こちらは、脳の「運動中枢」に障害が起きることが原因です。
そのため、言葉を発する器官に問題が生じ、口が動かなかったり、発声がうまくできなくなります。
一方の失語症は「言語中枢」へのダメージが原因で生じるため、口を動かす機能は保たれています。
しかし、言語を操ったり、理解する機能に問題が生じるので、今までのようなコミュニケーションは困難です。
症状には個人差がありますが、だいたい以下のようなものが挙げられます。
・言葉の音の区別や意味が理解できなくなる
・言いたい言葉が思い浮かばなくなり、違った言葉が出てくる
・相手の話した内容を頭にとどめるのが難しくなる
・人や物、場所の名前、時間や日時などの数字を聞き間違う
・集中力が低下し、一度に2つ以上のことに注意を向けることが難しくなり、疲れやすくなる
これらは失語症のほんの一部ですが、どれも俳優を続けていくには厳しい症状です。
一方で、失語症は、ただ言葉が操れなくなったり、内容が理解できなくなる言語障害であり、認知症や精神障害ではありません。
そのため、その人の性格や、過去を思い出し新しいことを記憶する機能、日常的なあいさつ、状況を判断する能力などは維持されます。
リハビリで回復は可能
失語症は、治癒不能の病気ではなく、リハビリ次第で症状の進行を遅らせたり、状態を回復させることが可能です。
リハビリ法は、「話す・聞く・読む・書く」に関わるトレーニングがメインとなります。
簡単な言葉を発したり、自分の名前や物の名前を紙に書き出すのも効果的です。
筆記でも音読でも、とにかく言葉をアウトプットすることが有効とされます。
失語症は、発症の早い段階からリハビリすることで回復率が高まり、脳血管疾患が原因の場合、1年で約40%は改善すると言われています。
まとめ
ブルース・ウィリス氏は、『アルマゲドン』(1998年)や『シックス・センス』(1999年)、『エクスペンダブルズ』シリーズなど、数多くの人気作に出演しています。
80年代から現在にいたるまで隙間なく活躍しているため、世代ごとに思い入れのある作品も違うでしょう。
とくに、彼の代表作である『ダイ・ハード』シリーズは、1988年〜2013年まで5作も製作されています。
「ダイ・ハード(Die Hard)」とは、”なかなか死なない”とか、”不死身”といった意味合いがあり、どんなにボロボロにされても、敵に立ち向かうブルース・ウィリスの勇姿が印象的でした。
ファンとしては、今回もウィリス氏が病気を乗り越え、いつかスクリーンに帰ってきてくれる日を願うばかりです。