紛失から21年後、謎の人物「X」からの返却
2冊のノートは2000年11月、特別所蔵品の写真撮影のために重要書庫から取り出され、カメラに収められました。
その後、2冊は保管箱に戻されたのですが、翌2001年1月の定期点検で、本来の保管場所にないことが判明。
しかしその時点では、図書館員らも別の場所に紛れ込んだと判断し、自分たちで捜索を続けていたという。
ところが、同館には本や地図など、合わせて1000万点を超える膨大な数の書物が保管されており、点検には最大で5年かかると見られていました。
結局、ノートは見つからず、館外に盗み出された可能性が高いとし、2020年11月24日、正式に警察に届け出ています。
捜索にはケンブリッジ警察およびインターピールが参加し、情報提供を呼びかけ。
このニュースは世界中でシェアされ、ソーシャルメディア等を通じて、何十万人もの人々に知れわたりました。
そして、盗難の公表から約15カ月後の2022年3月9日、2冊のノートは突然、何者かによって返却されたのです。
ノートは、ピンク色のギフトバッグに入った状態で、17階建ての図書館の4階にある、司書室外の共有スペースに置かれていたという。
ノートの入った封筒には、キリスト教の復活祭「イースター」にちなみ、匿名でこう印字されていました。
Librarian
Happy Easter
X司書の方へ
ハッピーイースター
Xより
ノートは透明のクリングフィルムで厳重に包装された上で、青い箱に納められていました。
点検の結果、ノートの状態は非常に良好で、紛失の間に傷つけられたり、損傷した痕跡もなかったようです。
ただ、ノートの盗難と返却についての捜査は、現在も続けられています。
では、盗まれたダーウィンのノートには、どんなアイデアが記されていたのでしょうか?