なぜ吹きこぼれるのか

鍋で水を加熱すると、水分子の熱運動が激しくなり、小さな気泡が底から次々と生まれます。
純粋な水の場合、これらの気泡は湯面に達するとすぐにつぶれて消えていくため、吹きこぼれは起こりにくいです。
しかしパスタのゆで汁やお粥、牛乳など、デンプンやたんぱく質が溶け出した液体では様子が異なります。
小麦や米、ジャガイモ由来のデンプン粒子や牛乳中のカゼインは水に溶けきれずにコロイド(液体中に分散する粒子)として浮遊し、加熱で泡が生まれるとその表面に付着して粘り気のあるゲル状の膜を形成するのです。
このゲル膜は非常に薄いものですが、泡が外部からの力を受けてもつぶれにくくしています。
つぶれにくい泡同士がくっつき合い、まるでレゴブロックを積むようにどんどん大きなフォームを形成し、鍋の縁へ迫ります。
そして最終的に鍋のふちを越えて泡があふれ出し、吹きこぼれが起こるのです。
では、この吹きこぼれにどのように防止できるでしょうか。