ノートには「生命の樹」や「進化論」のアイデアも
ダーウィンは1837年、イギリス海軍の測量船ビーグル号での航海から帰還した後、この2冊のノートに大量の書き込みをしました。
「生命の樹」のスケッチもその一つです。(下の画像を参照)
”I think(私が思うに)”で始まるそのページには、①という数字から枝分かれたした系統樹が描かれています。
この①は、ある生物の共通祖先を示し、そこから進化の枝分かれを繰り返す中で、さまざまな種が生み出されるプロセスを表現しています。
枝の先がT字になっているものが現生種で、それ以外は絶滅した系統とのことです。
また別のノートには、革新的な「進化論」の可能性を示すアイデアも書き込まれていました。
このアイデアを発展させたものが、彼の名を世に知らしめた1859年発表の『種の起源』へとつながっていきます。
担当司書のガードナー氏は「ノートが無事に戻ったことにとても安堵している」と話します。
「はがきサイズの小さなノートですが、科学史に多大な影響を与えた世界有数のコレクションであることは、いくら強調してもし過ぎることはないでしょう」
まとめ
ケンブリッジ大学図書館は、このノートの人気の高さと、世界的な捜査協力に感謝し、今年7月9日から始まる無料の展覧会「Darwin in Conversation」の一部として、ノートを展示する予定です。
この展覧会は、ダーウィンが生前に書いた約1万5000通の手紙をもとに企画されました。
その大部分は、同館に収蔵されている世界最大のダーウィン関連資料のアーカイブに収められています。
7月の展示後は、2023年に米ニューヨーク公共図書館でも開催される予定です。