荷物を運ぶ「未来の貨物ドローン」
新しく発表された貨物ドローンは、荷物を運ぶためにデザインされています。
ドローンといえば、4つのプロペラが付いたeVTOL(電動垂直離着陸機)が一般的ですが、ヤマトのドローンは全く異なった姿をしています。
翼やプロペラがないため、初見では、誰も空を飛ぶマシンだと考えないでしょう。
では、この奇妙なマシンはどのように空を飛ぶのでしょうか?
飛行の秘密は、ドローンに取り付けられた6つの「筒」にあります。
この筒は、サイクロテック社が研究を続けている「サイクロローター(またはサイクロジャイロ)」と呼ばれる新しい推進システムです。
筒の内部に収められたハネが回転することで、推力が発生するのです。
コンパクトながら、推力の大きさと方向を瞬時に制御できるため、ホバリングから前進飛行へと自然に移行できると言われています。
実際、サイクロテック社は2021年10月にサイクロローターで浮遊するプロトタイプの動画を公開しました。
4つのサイクロローターだけで見事に浮遊できていますね。
そしてヤマトのドローンには、さらに2つのサイクロローターが追加されています。
他の4つとは装着方向を90度変えているため、安定感が増し、従来のマルチコプターのように横に傾かなくても水平方向に推力を発生させられるのです。
さて、ここまででサイクロテック社の技術を紹介してきました。
次項では、貨物ドローンに収められたヤマト独自の技術を紹介します。