近縁種を精子や卵子を育てる代理母にできる
今回の研究により、死後時間が経過した死体であっても、生殖幹細胞さえ生きていれば、子孫が作れる可能性が示されました。
これまでは飼育中の絶滅危惧種や希少な魚が事故や災害で予期せぬ死を迎えた場合、諦めるしかありませんでした。
ですが本研究で開発された技術を使うことで、魚の死体を遺伝子資源として活用できるようになります。
また同様の手法が魚類以外にも使える場合、さまざまな希少種の死体も子孫形成の材料になるでしょう。
生前は肉体への負荷を気にして実行できなかった生殖幹細胞の摘出手術も、死体に対しては気兼ねなく実行することが可能となります。
さらに生殖幹細胞の移植と成長は、近縁であれば異なる種間でも実行可能であると考えられています。
もし希少種の精子や卵子を近縁種の体内で大量生産することができれば、現在地球に生存する多くの絶滅危惧種を救うことができるかもしれません。