光源となる太陽は全ての色を発している
太陽が発する光をヒトの目を基準に分けると大きく3つに分類されます。
波長が短すぎてみえない紫外線、逆に波長が長すぎてみえない赤外線、そしてそれらの間に存在するヒトの目が感知できる可視光の領域です。
可視光の波長は380~780ナノメートル程度とされており、ヒトの目は波長の短い順に
紫<藍<青<緑<黄色<オレンジ<赤
となって移ります。
ここで重要となってくるのが小さな粒子に対しては「波長の長さによって回避できる粒子のサイズに違いがある」という点です。
そのため上の図のように、波長が短い光は小さな粒子にも当たってしまう一方で、波長が長い光は大きな粒子の間でも素通りすることが可能です。
地球の大気の主成分は粒子としてはかなり小さい、8割の窒素分子と2割の酸素分子によって構成されています。
そのため太陽から発せられた雑多な光が地球の大気に衝突すると、可視光のなかでは波長が最も短い紫、次いで青色の波長が散乱します(レイリー散乱)。
ですが私たちの目に紫色が届くことはまれです。
紫色の光は大気の上層で散乱しきってしまうからです。
散乱が起きた紫の光はその場でさまざまな方向へ向けて飛んでいきます。
当然ながら横方向や宇宙方向へ散乱した光は、地表にいる私たちの目には届きません。
一方で、青色の場合は大気の比較的低い層で散乱が起こります。
そのため私たちの目には紫よりも青色の光が優勢となり「空は青い」と認識されます。
紫色の空をみたい場合は、高い山に登ったり飛行機に乗るといいでしょう。
飛行機や高い山の上からみる空は、地表と違ってやや紫がかっていることが知られています。
高度が高い場所に行くことで、紫色の光の散乱が起こる場所に近づけるからです。
この「遠くで散乱する光は目に届きにくい」という概念は、次の地球の夕焼けが赤くなる理由においても非常に重要になります。