老眼の影響を抑制する点眼薬
老眼の影響を抑制する点眼薬 / Credit:Depositphotos
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目薬で老眼が改善する! 点眼薬「Vuity」とは?

2022.05.09 Monday

40代を過ぎると、徐々に近くが見えづらくなります。

これは「老眼」と呼ばれており、世界の10億人以上が影響を受けています。

最も一般的な解決策は老眼鏡をかけることですが、2021年の末、新しい方法が追加されました。

アメリカ食品医薬品局(FDA)が、老眼を緩和させる点眼薬「Vuity」を承認したのです。

詳細は、2021年10月29日付の『アメリカ医薬品企業アッヴィのプレスリリース』にて報告されました。

既に多くの人が使用して、効果を実感しているようです。

New eye drops can help aging people see better – an optometrist explains how Vuity treats presbyopia https://theconversation.com/new-eye-drops-can-help-aging-people-see-better-an-optometrist-explains-how-vuity-treats-presbyopia-180762 U.S. Food and Drug Administration Approves VUITY™ (pilocarpine HCI ophthalmic solution) 1.25%, the First and Only Eye Drop to Treat Presbyopia (Age-Related Blurry Near Vision) https://news.abbvie.com/news/press-releases/us-food-and-drug-administration-approves-vuity-pilocarpine-hci-ophthalmic-solution-125-first-and-only-eye-drop-to-treat-presbyopia-age-related-blurry-near-vision.htm

老眼の原因は水晶体の老化にある

視力の良し悪しは、遠近の対象にピントが合うかどうかで判断できます。

そしてこの「ピント調整」には、3つのステップがあり、私たちは物を見るとき、無意識にこのステップを踏んでいます。

(1)対象に目を向け、(2)水晶体の形を変え、(3)瞳孔を収縮させるのです。

眼球の断面図
眼球の断面図 / Credit:Rhcastilhos,Hatsukari715(Wikipedia)_水晶体

では、どのようにして老眼が生じるのでしょうか?

原因は2番目のステップである「水晶体の変形」にあります。

水晶体は水とタンパク質でできた弾力性のある器官であり、周囲の筋肉で引っ張って薄くしたり、ぐっと押して厚くしたりできます。

水晶体の厚さが変わると光の屈折率も変わるので、これにより遠くにピントを合わせたり、近くにピントを合わせたりできるのです。

水晶体の伸縮によるピント調節
水晶体の伸縮によるピント調節 / Credit:Wikipedia Commons_水晶体

そして老眼は、加齢によって水晶体の調整機能が低下することで生じます。

周囲の筋肉が硬くなって水晶体に力を加えられなくなったり、水晶体自体の弾力が失われたりすることが原因です。

しかし、老眼の根本原因を解決するのは今のところ難しいようです。

そこで新しく開発・承認された目薬「Vuity」は、「ピントの合わせやすさ」に関係する3つ目のステップ、「瞳孔の収縮」にアプローチしています。

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