タンポポの種のように空を舞うデバイス。75もの形状がテストされた
タンポポの種のように空を舞うデバイス。75もの形状がテストされた / Credit:Mark Stone(University of Washington)_Tiny battery-free devices float in the wind like dandelion seeds(2022)
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タンポポの種を参考にした「風に乗って広がる小型センサー」 (2/2)

2022.05.12 Thursday

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タンポポ型センサーは太陽光で動作し、大きなネットワークを築く

開発されたセンサー。太陽光で作動し、取得情報を送信できる
開発されたセンサー。太陽光で作動し、取得情報を送信できる / Credit:Mark Stone(University of Washington)_Tiny battery-free devices float in the wind like dandelion seeds(2022)

新しく開発されたセンサーは、バッテリーの代わりにソーラーパネルが採用されています。

95%の確率でソーラーパネルが表になるよう落下するため、散布されたほとんどのセンサーが太陽光からエネルギーを得られるようになっています。

ソーラーパネルを採用しているので軽く、デバイスが壊れるまで機能し続けるというメリットもあります。

また散布の偏りをなくすため、それぞれのデバイスは形状がわずかに変えられています。

これにより、風による運ばれ方が変化。

ドローンで1つの地点に散布するだけで、あるセンサーは近くに落下し、別のセンサーは遠くまで運ばれるのです。

センサーが風に乗って浮遊する様子
センサーが風に乗って浮遊する様子 / Credit:Paul G. Allen School(YouTube)_Wind Dispersal of Battery-free Wireless Devices(2022)

そして広範囲に散布されたセンサーは、それぞれが温度、湿度、気圧、照度を計測し、日中の情報を送り続けてくれます。

ドローンを使って何千ものセンサーを1度に投下し、瞬時に広範囲ネットワークを構築できるのです。

研究チームは「従来通りに人がいちいちセンサーを設置していれば、同レベルのセンサー配置に数カ月かかる」と述べており、この新しいシステムが「センサー配置の分野に革新をもたらす」とも主張しています。

とはいえ、現段階では改善すべき点もあります。

電子機器が広範囲にばらまかれることになるので、それらが環境に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。

そのためチームは、デバイスを生分解性(微生物で分解される性質)の高いものにするための研究を続けています。

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