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psychology

大人になると苦いコーヒーを美味しく感じるのは「思い出補正」だった

2022.06.14 18:00:00 Tuesday

苦手な食べ物でも、繰り返し摂取することによって好きになることがあります。

海外において、その味覚の変化は「Acquired taste」と呼ばれ浸透しています。これは日本語なら「大人の味」とか「だんだん良さのわかる味」といったニュアンスです。

嫌いだった野菜をおいしいと思えるようになったり、苦手だったコーヒーを好きで飲むようになったりするのがその例です。

これは実際に感じる味が変わっているのではなく、だんだんその味を好むように脳が変化して起こります。

このメカニズムは、未だに苦手な食べ物がある人にとって克服のヒントになるかもしれません。

Why Do We Like Coffee Despite Hating It As A Kid? https://www.scienceabc.com/humans/why-do-we-like-coffee-although-we-hated-it-as-a-kid.html
Genetic determinants of liking and intake of coffee and other bitter foods and beverages https://www.nature.com/articles/s41598-021-03153-7 Are There Sensitive Periods for Food Acceptance in Infancy? https://link.springer.com/article/10.1007/s13668-017-0203-0

大人になって変化に気づく味の好み

初めてコーヒーを飲んだ子供時代
初めてコーヒーを飲んだ子供時代 / Credit:canva

誰でも子ども時代に、初めてブラックコーヒーを飲んで「にがっ! なんで大人はこんなもの飲んでるの?」と疑問に思った経験があるでしょう。

人間は本来、脳の固有パターンとして、苦い食べ物を嫌うようにできています。

苦い食べ物は、私たち人間にとって有毒である可能性が高いからです。

逆に、甘い食べ物はエネルギーを含んでいることがほとんどのため、人間は乳児の頃から甘い物を好む傾向にあります。

しかし、大人になると、苦いコーヒーや子どもの頃に苦手だった野菜などを「美味しい」と感じることがあります。

これは体に良い食べ物だと脳が認識したことで好みが変更され、美味しいと感じられるようになった結果です。

コーヒーも、繰り返し飲むことで体への悪影響はないことが明らかになり、またコーヒーには刺激効果などいくつか体へのメリットもあることを脳が学習します。

このとき、脳が人間の反応を更新します。あくまでも感じる味はそのままで、次からはその食べ物を好むように、その人の好き嫌いが調整されるのです。

次ページ「味の好み」は条件付けにより変更が可能

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