浮遊惑星をGETする4つの方法
その1:偶然近くを通った浮遊惑星に乗り込む
2020年に行われた研究では、私たちの銀河系には500億個もの浮遊惑星が存在すると報告されています。
これら浮遊惑星の多くは、恒星系同士の接近時に重力の影響によって星系外にはじき出されたものが起源となっています。
銀河系全体からみれば決して十分な数ではありませんが、太陽の寿命が尽きる50億年後までには有望な浮遊惑星のいくつかが太陽系の近くを通り過ぎると考えられます。
研究者たちは、十分な準備と技術があれば、これら通りがかりの浮遊惑星に対してヒッチハイクを行い、滅びゆく太陽系からの脱出も可能になると述べています。
もっとも条件がいい浮遊惑星の場合、予期せぬ先客がいる可能性も否定できません。
その2:太陽系外縁から手ごろな天体を持ってきて改造する
2番目の方法は偶然に頼らず浮遊惑星(候補)を自前で調達する方法になります。
この方法では太陽系の外縁部、オールトの雲と呼ばれる領域にある手ごろな準惑星などの天体を地球の近くまで牽引し、地下都市などのインフラ整備などを行った後に、推進システムによって再び加速し、太陽系の外に「出航」させます。
手間こそかかりますが、運にたよって浮遊惑星の来訪を待つよりは、手堅い方法と言えるでしょう。
ただこの方法は準惑星クラスの質量を太陽系の外縁から内縁に移動させる必要があるため、地球や火星などの軌道に影響を与える可能性があります。
そのためやるとしたら、地球の軌道変化などかまっていられないギリギリの状況(地球が太陽に飲み込まれそうなとき)に限定したほうがいいでしょう。
その3:太陽系外縁の準惑星を外にはじき出して浮遊惑星にする
3番目の方法も2番目と同じく浮遊惑星(候補)を自前で調達するものとなります。
この方法では、準惑星セドナなど太陽から遠い位置を周回している天体を推進システムによって加速し、太陽系の外にはじき出して浮遊惑星にします。
はじき出す前に十分なインフラ整備を行うことができれば、安定した箱舟として機能してくれるはずです。
また2番目の方法で問題となる地球軌道への影響も最小限に抑えられるでしょう。
しかしこの方法も2番目と同じく、結局は準惑星規模の天体を移動させるだけの推進システムが必須となります。
その4:太陽が死ぬ間際にはじき出される惑星に乗って旅に出る
4番目の方法は、ややバクチになります。
太陽が膨張して巨大化すると、重力の変動によっていくつかの惑星や準惑星・衛星などが太陽系外に弾き飛ばされ浮遊惑星となる可能性があります。
はじきき飛ばされる天体が事前に予測できる場合、あらかじめ移住しておくことで滅びゆく太陽系から逃れることができるでしょう。
もし運よく地球がはじき出しの当事者になった場合、「地球そのものが箱舟」となって、一緒に別の星系を目指すことになるでしょう。
50億年後の人類が惑星や準惑星を移動させるほどの技術力がない場合は、この方法が実行されると考えられます。