宇宙をさまよう浮遊惑星を箱舟にできるかもしれない
残念なことですが、地球に永遠に住み続けることはできません。
太陽の寿命はあと50億年程度と考えられており、そのときが来ると太陽は膨張して赤色巨星へと変化し、火星軌道まで膨らんで地球を飲み込んでしまうとされています。
50億年も人類が存続できるかは不明ですが、このため地球生命や人類の子孫が生存するためには、いつかは地球や太陽系を脱出する必要がでてきます。
しかし地球から最も近いプロキシマ・ケンタウリでさえ4.25光年もの距離があり、既存の技術で到達するには6000年以上を要します。
技術が進歩して推進システムが改良されたとしても、恒星間移動を行う移民船には、複数の世代交代を円滑に行えるだけの十分な資源と空間的な余裕が必要となります。
そこで今回、ヒューストン・コミュニティ・カレッジの研究者は、どの恒星系にも属さずに宇宙をさまよっている浮遊惑星を箱舟にする方法を提案しました。
宇宙をさまよう浮遊惑星は冷たく暗い場所と思われがちですが、地球のように暖かい核があれば、地殻の内側に液体の海が形成されると考えられており、生命の生存に必要な暖かさの確保が可能になります。
実際、土星の衛星エンケラドゥスは内部に熱源が生きており、氷に覆われた地殻の内側には液体の水からなる海があると考えられています。
十分な水は宇宙放射線から生物を守るバリアの働きもしてくれます。
浮遊惑星の地殻をくり抜いて与圧できれば、巨大な空間と大量の資源を利用できるようになり、数千年~数万年に及ぶ旅路も可能になるでしょう。
研究者は十分な技術と資源があれば、惑星を操縦して望みの方向に向けることも可能だと述べています。
そうなると問題は、いかにして浮遊惑星を確保するかです。
研究では次の4つの方法が提案されています。