マウスの脳細胞を破壊して違いを調べてみた
答えを得るために研究者たちは、新たに同定したニューロン(VTAVgat-St)を破壊した場合、目覚めた後にストレスにどのような影響が出るかが調べられました。
影響の評価には、マウスが明るい場所にいる時間とストレスホルモンのレベルが測定されました。
ストレスを感じているマウスは明るい場所より暗い場所を好む性質があるからです。
すると、新たに同定されたニューロン(VTAVgat-St)を破壊されたマウスたちは、目覚めた後も、暗闇の中で過ごす時間が長く、ストレスホルモンのレベルが高いままであることが判明します。
この結果は、ニューロン(VTAVgat-St)を破壊されたマウスたちは、寝てもストレスから解放されなくなっていることを示します。
これまで睡眠とストレスについては多くの研究がなされてきまたが、ストレスによって睡眠(特にレム睡眠)が誘発される仕組みを細胞レベルで特定できたのは、今回がはじめてです。
研究者たちは、人間とマウスの睡眠は類似しているために、このニューロン(VTAVgat-St)をターゲットとすることで、睡眠のストレス解消力を高める薬が開発できると述べています。