太陽系外惑星の観測に必要なのは「宇宙の日傘」
これまでに発見された太陽系外惑星のほとんどは、直接観測されたものではなく、間接的な手法で確認されたものです。
例えば、トランジット法では、惑星が恒星の前を横切るときの一時的な減光(食)によって、惑星の存在を検出します。
またドップラー法では、公転する惑星の引力によって生じる恒星の微小なふらつきから、惑星の存在を検出します。
これらの組み合わせは、太陽系外惑星を発見するための効果的な方法です。
しかし最近では、超大型望遠鏡の登場により、太陽系外惑星を直接観測できるようになりました。
この方法であれば、得られた光から惑星表面にある鉱物や海、大気の存在、植生などのさまざまなデータが得られ、科学者たちがより確信をもって「居住可能かどうか」判断できるようになるでしょう。
しかし望遠鏡で直接観測するには、惑星よりも非常に明るい恒星の光を隠さなければいけません。
つまり、「宇宙の日傘」が必要なのです。
そこでNASAは以前から、恒星の光を覆い隠す宇宙の巨大スクリーン「スターシェード」と、現在建設中の超大型地上望遠鏡「巨大マゼラン望遠鏡」などを組み合わせた「ハイブリッド天文台(HOEE:Hybrid Observatory for Earth-like Exoplanets)」を計画してきました。
宇宙に大きなスクリーンを浮遊させて恒星の光を遮り、地上の超高性能な望遠鏡で直接太陽系外惑星を観測しようというのです。
現在、地上の次世代型望遠鏡の建設計画は既に始まっています。
宇宙の日傘であるスターシェードの開発にも取り掛からなければいけませんね。
ではこのスターシェードは、どのようなスペックを必要とするのでしょうか?