知能が高いことが分かる、カラスが見せる行動
このようなカラスですが「知能が高い鳥」であることは、有名なところでしょう。
身体も鳥類の中では大型であること、雑食性であることも起因して、寿命も野鳥の中では比較的長めです。スズメやツバメが約2年、ハトが約6年であるのに対し、カラスは約8年ほどもあるのです。
知能だけでなく、カラスは視力も優れています。
カラスだけでなく、鳥類は全般的に視力が高い動物ですが、特にカラスや猛禽類は人の約5倍以上の視力を持っています。人が認識できる光の三原色「赤、青、緑」に加え、紫外線までも認識することができるのです。
皆さんは「虹は7色」と教わったのではないでしょうか?これは人間の常識であり、カラスの場合は14色も見えています。私達よりもカラスの方が、雨上がりの虹を見て「わぁキレイ!」と感動しているかもしれませんね。
一方、カラスの知能の高さを示す例としては、以下の事例が挙げられています。
①道具を使って、自分の生活を豊かにする
②生活に必須でない「遊ぶ」という行動をする
③自分に嫌がらせをしてきた人間の顔を記憶し、集団で復讐する
④他者に共感する
というものです。
①に関しては、街中でしばしば目撃例がある「硬いクルミの殻を割るために、車にクルミを轢かせる行動」「蛇口を捻って、水を飲む行動」が有名です。カラスは、周囲の状況をよく観察した上で、人間が使う道具の性能についても十分に理解しているのです。
②に関しては、「電線にぶら下がる行為」「滑り台で滑る行為」等が確認されています。共通点は「生活に必須な行為では無い」という点です。
人間や霊長類など一部の哺乳類も「遊び」という行為をしますが、これらの動物の共通点は「生きることに余裕がある」ということです。カラスも知能が高く、食べ物を取ることだけに必死になる必要がないのです。よって「無駄な行為で楽しむ余裕がある」ということなのです。
③に関しては、「石を投げる」「水をかける」「エアガンで追い払われる」という行為をされたカラス自身やその仲間たちが、「該当人物を襲いに帰ってくる」「その人物の家の窓ガラスを割ったり、所有物に糞をかける」という行為が確認されています。
人の顔を覚えられる記憶力も凄いですが、仲間のカラス達にそれを確実に伝えられる情報伝達能力も凄いのです。
④に関しては、「喧嘩に負けた仲間を慰める行為」が確認されています。
何羽かのカラスに、ある2羽のカラスの喧嘩を見せた実験があります。すると、負けた方のカラスに仲間が近づいていき、慰めるようにつついたり、毛づくろいをしてあげる行為が確認されました。
「動物に感情があること」は認められつつありますが、中々実証が難しい分野です。しかし、知能の高いカラスですから、「人間のように、感情も豊かなのではないか?」と考えられています。