地下室で発見された赤ちゃんミイラの正体とは?
男児のミイラは、オーストリア北部オーバーエスターライヒ州にある名門シュターレンベルク伯爵家の地下室で発見されたものです。
遺体は自然にミイラ化して枯れ果てていますが、全身が欠けることなく保存されており、精巧な絹の衣服も残っていました。
地下室には他に、当時の伯爵家の所有者とその妻の遺体が見つかっており、この男児は、2人の間の長男であった可能性が高いとのこと。
埋葬時、男児の年齢は生後わずか10〜18カ月でした。

また皮膚サンプルの放射性炭素年代測定から、男児は1550〜1635年の間に埋葬されたことが特定されています。
ただし、伯爵家の記録から、地下室は1600年頃に一度改装されているので、それ以降に埋葬されたものと思われます。
残念ながら、男児の棺には碑文がなかったため、正確な名前や生年月日は不明ですが、家系図から判断して、ライヒャルト・ヴィルヘルム(Reichard Wilhelm)という名前だったと推定されています。
しかし、この男児は、日々の生活に事欠かない貴族の出であるにもかかわらず、その短い生涯は明らかに健康的ではなかったようなのです。