食べられるドローンが開発される
食べられるドローンが開発される / Credit:Bokeon Kwak(EPFL)_Eat This Drone With wings made from rice cakes, this drone is designed to save your life(2022, IEEE Spectrum)
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「ボクの機体をお食べよ」孤立した被災者の命を繋ぐ”食べられるドローン” (2/2)

2022.11.04 Friday

前ページ小型ドローンが孤立した被災者に食料を届ける

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「ポン菓子」の翼をもつ食べられるドローン

研究チームは、ポンせんべい(ライスケーキとも呼ばれる)を使ってドローンの翼を作っています。

ポンせんべいとは、米を膨らませた「ポン菓子」をせんべいのように押し固めたものです。

翼の材料は「ポンせんべい」
翼の材料は「ポンせんべい」 / Credit:Bokeon Kwak(EPFL)_Eat This Drone With wings made from rice cakes, this drone is designed to save your life(2022, IEEE Spectrum)

一般的には軽くてサクサクとしたお菓子ですが、ギュッと押し固めることで効率よくカロリーを摂取できます。

人間のエネルギー源となる炭水化物が多く含まれており、100gあたり387kcalあるのだとか。

そしてこのポンせんべいの特性は、ドローンの翼の素材として使用されている「発砲ポリプロピレン」に似ています。

ポンせんべいは発砲ポリプロピレンのように丈夫で軽量です。

またレーザーでカットしやすく値段もお手頃なので、ドローンの翼の代用品にはぴったりなのです。

六角形にカットし一枚の翼に成形
六角形にカットし一枚の翼に成形 / Credit:Bokeon Kwak(EPFL)_Eat This Drone With wings made from rice cakes, this drone is designed to save your life(2022, IEEE Spectrum)

まずチームは、結合させやすくするため、丸いポンせんべいを六角形にカット。

ゼラチンを接着剤にして平らで広い「食べられる翼」に成形しました。

乾燥させた後はプラスチックシートとテープで梱包するため、湿気や汚れでダメになる心配もありません。

そしてこの翼に他の食べられない部品を追加することで、秒速10m(時速36km)で飛行する「食べられるドローン」が完成します。

「食べられる翼」をもつドローン
「食べられる翼」をもつドローン / Credit:Bokeon Kwak(EPFL)_Eat This Drone With wings made from rice cakes, this drone is designed to save your life(2022, IEEE Spectrum)

翼が食料になるため帰還することはありませんが、「孤立した被災者に食料を届ける」という目的は十分に達成されるでしょう。

研究チームは今後、食用油や調味料を加えることで、よりカロリーが高く美味しい翼へと改良していく予定です。

食べられるドローンには、少しの食料を届ける以上の効果があります。

アンパンマンがそうであるように、孤立した人を慰め、「救助が来るまでもう少し頑張ろう」と希望に目を向けさせてくれるのです。

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