陰謀論者と統合失調症患者の類似点
研究者たちは、今回の研究で明らかになった陰謀論の特性は人間の認知機能の解明に役立つとも述べています。
陰謀論では無関係な複数のトピックが驚くべき飛躍によって合成されていますが、論調や精神的表現は首尾一貫しているように感じさせる場合があります。
複数の分野にまたがるトピックの合成は、本来ならば複雑な思考や膨大な証拠を要するにもかかわらず、陰謀論者は少ない証拠で迅速に結論に至ります。
こうした思考の飛躍は、名探偵や天才科学者のひらめきに似て見えるかもしれません。
しかし陰謀論の場合、その根拠となるものが事実ではなく、別の陰謀論となっているのが問題です。
このような特性は、統合失調症など一部の精神病においてみられるものと同じです。
統合失調症と陰謀論の相関性は極めて高く、統合失調症の人は事実や主張の整合性を飛び越えて、普通の人に比べて遥かに少ない証拠で迅速な結論に辿り着いてしまいます。
そのため研究者たちは、陰謀論の研究をすることで、統合失調症など人間の精神病理について多くの知見を得られる可能性があると述べています。
また今回の研究から見られた陰謀論の特性は、陰謀論が異常なほど多彩なトピックを合成された内容を持ち、別の陰謀論を根拠にしていることが示されました。
そのため研究者たちは陰謀論の特性を理解することができれば、陰謀論を自動検出して排除する自動アルゴリズムやAIを開発できると述べています。