仮想ゲームで死ぬと「脳を破壊する」VRヘッドギアを開発!
VR技術の進歩によって、仮想世界は日を追うごとにリアルになっていきます。
しかしVR技術は主に視覚に重きを置いており、視覚のリアルさとその他の感覚の乖離は大きくなるばかりとなっています。
以前に行われた複数の研究により、視覚とその他の感覚の差を埋める手段としてさまざまな方法が提案されてきましたが、現実的な普及には至っていません。
そこで今回、Oculis社の創設者として知られるパルマー氏は、仮想ゲームの中での死と、現実世界での死を同期させる方法を開発することにしました。
開発の切欠となったのは、大人気のSF作品として知られる「ソードアートオンライン」でした。
ソードアートオンラインの世界では、主人公たちが仮想ゲーム世界に閉じ込められ、ゲームの中で死ぬと、VRヘッドギアがマイクロ波を発して脳が破壊され、現実でも死ぬという設定が用いられています。
パルマー氏はこの「ゲームで死ぬと現実でも死ぬ」という仕組みを再現する方法を、ソードアートオンラインと同じようにヘッドギアに仕組みました。
といっても、劇中のようにマイクロ波を使うわけではなく、より物理的な方法になります。
具体的にはVRヘッドギアの頭部に爆薬が充填されたモジュールが3つ備え付けられました。
この3つのモジュールには光学センサーが取り付けられており、VR画面から赤い光が特定の周期で発生するのを検知すると爆薬に点火させるようになっています。
そのためプレイヤーのライフゲージが0になった瞬間やゲームオーバー画面などで、条件となる赤い光を発生させれば、即座にプレイヤーの脳を破壊することが可能になります。
パルマー氏によれば今回開発されたナーブギアは「ゲームの死と現実の死をリンクさせる最初の装置である」とのこと。
なぜこんな装置を作ってしまったのかは不明ですが、世界のどこかには需要(決闘用など)があるのかもしれません。
しかしパルマー氏によれば『ナーブギア』はまだ不完全な状態にあるそうです。
ソードアートオンラインに登場するVRヘッドセット「ナーブギア」には、外部の人間が取り外そうとしてもマイクロ波が発せられてしまい、実質的な救助が不可能であるという設定が盛り込まれていました。
(※プレーヤーたちが仮想ゲーム世界から脱出するには、ゲームをクリアするしかありません)
パルマー氏は今後の開発で、彼の『ナーブギア』に同様の、外部からの救助を不可能にする仕組みを取り付けていく、とのこと。
もしかしたらこのままでは、SF世界のようなフルダイブ技術ができる前に、死のトラップが先行して完成してしまうかもしれませんね。