マイドゥーム(Mydoom)

マイドゥームは2004年に初めて発見されたコンピュータウイルスです。
コンピュータウイルス「ラブレター」と同じく、電子メールを介して感染していきます。
添付ファイルの実行によってのみ感染するため、メール本文を読むだけでは大きな問題になりません。
しかしマイドゥームは、自身のメールの内容を「送信エラーメッセージ」に見せかけてきます。
例えば、「宛先にメールが正しく送信されませんでした」という旨のメッセージが届き、多くの人はついつい警戒心を緩めて添付ファイルを開いてしまうのです。
感染したデバイスではバックドアが生成され、コンピュータの乗っ取り・遠隔操作が可能になります。
また特定の企業のWebサイトを攻撃するようにもなるのだとか。
さらにアドレス帳の連絡先に対して同様のメールを自動送信していきます。
マイドゥームは、こうした巧妙な罠によって「ラブレター」よりも早く世界中に拡散。
2004年7月26日には、マイドゥームの攻撃によってGoogleの検索サイトがクラッシュするほどでした。
現在でも流通しており、全世界で送信された電子メールの4分の1がマイドゥームによるものだと言われています。
史上最悪のウイルスとして名をはせたマイドゥームは、総額570億ドルの損害を与えてきたと推定されています。

歴史に名を刻む凶悪なコンピュータウイルスを紹介してきました。
ウイルスのリスクを最小限にしたいのであれば、コンピュータのセキュリティをいつも最新状態に保ってください。
また、身に覚えのないメールは開かないようにすることも大切です。
知り合いでもない人が、いきなりあなたを好きになったりはしません。
ましてや「愛してる」とメールすることなど、現実ではありえないのです。