オムツ濡れを検出してお知らせする「スマートオムツ」
オムツ濡れを感知するのに使われるセンサーは塩化ナトリウム水溶液を染み込ませた紙に鉛筆で手書きされた回路と小さなリチウム電池と繋がってできています。
乾燥した状態では紙の回路に電気は流れませんが、水に濡れると塩化ナトリウムが溶けて電離し、鉛筆で描かれたグラファイトの回路に電気が流れるという仕組みです。
センサーが反応するとスマートフォンにお知らせが行くため、赤ちゃんがオムツ濡れの不快感を感じて泣く前にオムツを替えることができるといいます。
濡れる量が多くなるほど塩化ナトリウムが電離する量が増えて電気が多く流れるため、このセンサーは水分量も感知でき、「オムツが濡れているかどうか」だけでなく「オムツがどれくらい濡れているのか」も把握することができます。
介護分野の有効活用にも期待
このセンサーを用いたスマートオムツは赤ちゃんに対してはもちろん、お年寄りの介護の際にも活躍します。
特に介護施設では、施設員に対して数人の要介護者のオムツの状況を確認しておかなければならないため、それらがスマートフォンに通知されると無駄なく動くことができるでしょう。
とはいえ、赤ちゃんと母親のように1対1の場面には必要ないのでは? というネガティブな声もあります。
必要ないとのコメントも…
海外のスマートオムツに対する反応を見てみると「必要ない」という声が大半を占めていました。
理由としては「親ならオムツが濡れたかどうかくらいセンサーがなくてもわかる」「そもそも今のオムツには同様の機能がある」といったものです。
確かに、今売られている紙おむつの多くには濡れたら色が変わる部分がありますし、オムツのポリマーの触り心地で濡れているかどうかはすぐにわかります。
また、私自身3人の子どもを育ててきましたが、そもそも赤ちゃんと生き物は意外にも「オムツが濡れているという理由だけで泣く」ことはほとんどなく、「眠い」「お腹が空いた」といった理由がプラスされて初めて泣きます。
今や紙オムツの性能は進化していて、ちょっとやそっと濡れたぐらいでは赤ちゃんもそれほど不快ではないようです。
このため、オムツの濡れをいち早く感知できたとして、それほど世話がラクになるようには思えません。
しかしあくまでもスマートオムツは、この優秀なセンサーの使い道の一例に過ぎなかったのです。