水面へ飛び出るトビウオ
水面へ飛び出るトビウオ / Credit:写真AC
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魚なのに、なぜ水から出ちゃうの!?飛ぶ魚「トビウオ」の秘密 (2/3)

2023.05.01 Monday

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3種のヒレを使い、飛行している

海面を飛ぶトビウオ
海面を飛ぶトビウオ / Credit:パブリックドメイン

トビウオはどうやって飛んでいるのでしょうか? それは、胸ビレ、腹ビレ、尾ビレを上手に使っているためになります。

トビウオは、飛ぶ前にまず水中で十分に加速します。十分なスピードが出た後は、尾ビレで水面を叩いて飛び上がります。

この行動で推進力を得た後は、胸ビレをグライダーの翼ように使って、揚力を得ます。一部のトビウオでは腹ビレは退化しているものの、腹ビレで空気の流れを変えることにより、揚力を向上させることもできます。

また、ヒレの棘の間にある膜「ヒレ膜」も頑丈な作りをしているため、飛行中の大きな空気の抵抗にも耐えられるようになっています。

見た目のイメージから「発達した胸ビレだけが役に立っている」と思われがちですが、他の部位も飛行に貢献していたのですね。

では、その飛ぶ高さ、距離、速さ、時間、道筋などはどうなっているのでしょうか?

1度の滑空で飛ぶ高さは約3m、距離は約80mほどですが、水面に近づくと再び尾ビレでジャンプすることができます。

そのため連続の合計距離では、約300mも連続して飛んだことが確認されています。いくら天敵から逃げるとは言え、そんなに長い距離を飛んでしまって、窒息死したり、体が乾燥したりしないのでしょうか?

それは、トビウオが飛ぶ速度に関係があります。速さは時速約60kmにもなると言われており、これはツバメやヒヨドリなど、一部の鳥よりも速い速度になるのです。

つまり、飛行距離と速さから計算すると、飛行時間は最大でも約50秒程度になります。「思ったより速い!」のではないでしょうか?

また、急停止、方向転換をすることも可能です。空中には鳥という天敵もいますし、窒息死するリスクもあるため、このように進化したようですね。

このトビウオのヒレは生後約2週間から大きくなるため、稚魚でも飛ぶことが可能です。

幼い頃から、トビウオは魚界の「ジャンプ名人」と言えそうですね。

次ページ航空力学の分野からも魅力的なトビウオ

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