同じ失敗を繰り返さないための科学的な秘訣を探る
「失敗は成功のもと」という言葉があるように、私たちは多くの失敗を経験することで、どんな行動や選択が失敗に繋がるのか理解し、いずれ適切な行動(成功)に到達することができます。
だからこそ失敗を恐れずに何事にもチャレンジすることは大切であり、成功者の多くはその背後で膨大な試行錯誤を繰り返しているものです。
こうした前向きな考え方に同意し、力づけられる人は多いでしょう。
しかしそのためには、「同じ失敗を繰り返さない」ことが前提となります。
失敗の経験を活かさず同じことを衝動的に繰り返していたら、成功に近づくことは難しいでしょう。
とはいえ多くの人は結局、同じ失敗を繰り返してしまうものです。
人によっては精神疾患が関係しているゆえに、何度も何度も苦しみながら失敗を重ねてしまうケースもあります。
では、人間の「失敗を繰り返す傾向」を改善する方法はあるのでしょうか?
これまでの研究のほとんどは、「成功に繋がる行動を促進するメカニズム」に注目しており、「失敗に繋がる行動を抑制するメカニズム」は不明なままでした。
そこで疋田氏ら研究チームは、マウスの行動と脳活動を調べることで、同じ失敗を繰り返さないために必要な脳内メカニズムを解明することにしました。